教授挨拶
高知大学医学部小児科 就任のご挨拶
高知大学医学部小児思春期医学教授
池田(谷口)真理子
このたび、令和7年4月1日付で高知大学医学部 小児思春期医学講座 教授を拝命いたしました池田(谷口)真理子と申します。当院小児科のホームページをご覧いただき、誠にありがとうございます。
私は平成9年(1997年)に高知大学医学部(旧高知医科大学)を卒業し、27年の時を経てご縁あって再びこの南国・高知の地に戻ってまいりましたことを、心よりうれしく感じております。
これまで私は小児科医として診療の現場に立ち続けるとともに、小児の遺伝性疾患や神経難病の治療法開発を目指し、基礎研究に従事してまいりました。大阪大学、神戸大学、藤田医科大学では教員として貴重な経験を積ませていただき、多くの医師、コメディカルの皆様、共同研究者の方々に支えられてきました。
人生の節目においては困難に直面することもありましたが、そのたびに誰かが手を差し伸べてくださり、ここまで歩んでくることができました。支えてくださった方々、患者さんとそのご家族との出会いは、私の生き方そのものに深く影響を与えてくれたと確信しております。
これからは、これまでいただいた素晴らしい出会いや学び、経験を活かし、高知県のこどもたちとそのご家族、そして未来ある学生や若手医師たちの支援者として、微力ながら尽力してまいります。
現在の日本には小児医療に関するさまざまな課題があります。特に高知県では、将来日本全体が直面するとされる少子高齢化や過疎化といった問題が、すでに現実のものとなっています。こどもたちがどこにいても質の高い医療を受けられること、そしてご家族が地域の中で安心してこどもを育てていける環境を維持していくことの重要性を、私は強く感じております。
これらの課題は小児科医のみで解決できるものではありません。大学関係者や行政の皆様のご協力をいただきながら、より良い小児医療体制の構築を目指してまいります。
また、近年、日本の研究力の低下が指摘されておりますが、特に若手医師の研究離れは深刻です。今後は若手の研究活動を支援し、活性化を図っていくことも重要な使命と考えております。
これまで築き上げられてきた高知県の小児科医療の伝統を大切にしつつ、本講座から県内外への連携を強化し、日本国内外に向けて高知大学医学部小児思春期医学講座の活動を発信していけるよう、教室員一同、力を合わせて努力してまいります。
若い学生、医師、研究者の皆さまにおかれましては、本講座に少しでもご関心をお持ちいただけましたら、ぜひお気軽にご連絡ください。皆さまとの出会いを心よりお待ちしております。
令和7年5月吉日
池田(谷口)真理子